冬になると、なぜか少しだけ香りを変えたくなる、そんな経験はありませんか。気温が下がり乾燥する冬の空気は、香りの感じ方を大きく変えます。軽やかな香りがすぐに消えてしまう一方で、重厚感のある香りはより豊かに広がり、肌の上で深くまろやかに変化していきます。
そのため冬は、甘さや温かみを持つ香り、深みのあるウッディノートがとくに映える季節。今年のトレンドキーワードは「温もり」「スパイス」「ウッディ」「スキンセント」。香水だけでなく、ハンドクリームやキャンドルなど“暮らしの香り”全体で注目が集まっています。
2025冬の香りトレンドとは？
この冬の香りの傾向は、全体的に“個性より心地よさ”へと寄っています。自己主張の強い香りよりも、肌に寄り添うような落ち着いた香り、深みがありながら柔らかく包み込むような香りが人気です。
さらに、香水だけに限らず、ルームフレグランスやボディケアなど生活の中で自然に香るアイテムの需要が高まっており、“自分の空気をつくる”という意識がより強くなっています。
トレンド①：心まであたためるスパイシーな香り
冬といえばやはりスパイス系の香りが外せません。シナモン、カルダモン、クローブ、ジンジャーなど、香りだけで身体までポカポカしてくるようなノートが人気です。
スパイスの香りは、冷たい外気とのコントラストで一層引き立ち、空気中に広がるとまるで湯気のようにふんわりと“温度”を感じさせます。甘さを控えめにすれば大人らしい落ち着きが出ますし、バニラと合わせれば冬らしいほっこり感が楽しめます。カフェでホットドリンクを飲む時のような、安心感のある香りがこの冬の気分です。
トレンド②：深みが魅力のウッディ＆アンバー
冬の王道ともいえるのが、サンダルウッドやシダーウッド、パチョリなどのウッディノート。そして、甘く芳醇で肌に溶け込むアンバー。
これらの香りは、重厚でありながら品があり、ユニセックスで使えることから性別を問わず人気が高まっています。特にサンダルウッドはクリーミーで柔らかいので、「ウッディは重すぎる」という方にも取り入れやすいのが魅力。
また、外は冷たく室内は暖かい冬の環境は、ウッディやアンバーの香りがゆっくり変化しやすく、時間とともに美しい奥行きを楽しめるのもポイントです。
トレンド③：ふんわりまとう“スキンセント”系の優しさ
ここ数年で一気に定番化したスキンセント（自分の肌の延長のように香るナチュラルな香り）も、この冬さらに注目を集めています。
クリーンなムスクや石鹸のような香りは、控えめでありながら清潔感と柔らかさを演出してくれるため、職場でも使いやすいのが魅力。マスク生活で強い香りが敬遠されたこともあり、“ほのかに香る”タイプの人気が定着しました。
冬の冷たい空気の中では、ムスクなどの柔らかな香りがより溶け込むように広がり、ふわっと漂う優しさが心地よい印象を残します。
トレンド④：冬に映えるローズ＆アイリスのフローラル
フローラル系の中でも、今年特に人気が再燃しているのが「ローズ」と「アイリス」。
ローズはフレッシュで明るい印象から、ダークで妖艶な香りまで幅広く、冬の深みのある雰囲気にぴったり。アイリスはパウダリーで上品な甘さが特徴で、冷たい空気の中で柔らかく漂い、優雅で落ち着いた雰囲気をつくります。
どちらも冬の装い──特にウールやカシミヤの質感と相性が良く、ふんわりまとえば全体に上品な余韻を与えてくれます。
冬に香りを上手に取り入れるコツ
冬は香りが長持ちしやすいため、つけすぎると重たく感じられてしまうことがあります。手首や首元だけでなく、ウエスト周りや膝裏など体温が安定している場所に少量つけると、自然で美しい香り立ちになります。
また、コートやマフラーに残りやすい季節なので、香りの種類を変えたい日はアウターへの付着に注意するのもポイント。
仕事の日は控えめなスキンセント系、休日やディナーにはウッディやアンバーなど、シーンに合わせて香りを変えることで、冬の毎日がぐっと豊かになります。
香水以外にも広がる“冬の香りアイテム”
冬は乾燥が気になる季節でもあるため、香り付きのハンドクリームやボディクリームは特に人気。香水より柔らかく香り、保湿も兼ねられるため一石二鳥です。
また、家ではキャンドルやディフューザーを取り入れれば、帰宅した瞬間にほっとする“冬の空気”をつくることができます。香水と同じ系統の香りでまとめると統一感が出て、日常に小さな贅沢が生まれます。
寒い季節は、香りが私たちの感情や記憶にそっと寄り添ってくれます。今年のトレンドであるスパイス、ウッディ、スキンセント、フローラルの深みを参考にしながら、自分だけの“冬の香り”を探してみてはいかがでしょうか。
香りは目に見えないけれど、気分も雰囲気も変えてくれる冬の相棒です♪お気に入りの香りと共に、あたたかな季節を迎えてください。
